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天空の寺院。ジャイナ教の聖地ジュナーガル・インド

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この時点でインドの旅は1ヶ月が経とうとしていた。

当初の予定では、酷暑の時期なので3週間ぐらいで充分だろうと思っていたけど、案の定インドの魅力にハマっていった僕らは、さらにインドの滞在を延ばすことにした!

予想通り毎日鬼のような暑さでへにょへにょになってるけど、それよりも好奇心が勝った。

 

アムリトサルを後にして、そこから電車で8時間。

インドの首都デリーに到着。

デリーに訪れるのは、電車乗り間違え事件も入れたら3回目。

今回も夜の電車までの時間を利用して、サクッと市内観光。

ガンジーの遺品が展示されているガンジー博物館や、彼の遺体が火葬されたラージ・ガートを見て回る。

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そこから夜行列車で19時間かけ、砂漠の州ラジャスタンを一気に越え、ガンジーが生まれたインド最西のクジャラート州にあるアーメダバードへ。

そしてさらに電車を乗り換え7時間。

移動距離約1,700km。乗り継ぎ時間も入れたら47時間の大移動を終えて、やっとの思いでたどり着いた街「ジュナーガル」。 

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ふぅ〜。やっと着いた、、、。

といっても時間は朝の5時半。まだ外は真っ暗で人通りも少ない。

オートリキシャに乗り、唯一ガイドブックに載っていた安宿に行くも、案の定カギが閉まってる。

ベルを鳴らすも反応がない。

う〜ん、、街の治安は悪くなさそうだが、この暗い中ここで待つことはあまりしたくない。

といっても他の安宿がどこにあるのか分からないので、とりあえず向かいにあった屋台のチャイ屋でチャイを飲んでいると、ボストンバックを持った観光客風のインド人の兄ちゃん3人がリキシャに乗ってやってきた。

なにやら僕らが狙っていた安宿に行くというので着いて行くと、問答無用でベルを鳴らしまくる!

「あぁ…そんなんしちゃって良かったのね…。」

すると観念した宿のおっちゃんが超眠そうに出てくるも、今日は満室だとか。

「OK、じゃあもう一個あるからついて来な。」と頼もしい兄ちゃん達。

そこから100mほど行ったところにあった宿へ行くと、今度は「ここはインド人専用だから。」と僕らだけ断られてしまった。

どうやらこの街にインド人の観光客は来るものの、外国人観光客はあまり来ないみたいだ。

 

う〜ん、、参った。まじで参った。

なぜなら先日のデリーで食べた立ち食い飯屋のタリーにあたったらしく、お腹の調子が良くなかった、、、。

どうやらもう少し駅方面に行ったところに安宿が点在してるというので歩いて向かうことに。

しかしこの街の道は入り組んでいて、なかなか辿り着けない。

明るくなってきた早朝のジュナーガルを、たびたび襲ってくる波に、お尻をぎゅっと締めて対抗しながらフラフラとさまよう。

救われたのはこの街の人達がすごく親切で、何人もの人が親切に道を教えてくれた。

道に迷って何度も行ったり来たりしながらようやく辿り着いた宿。

しかしここも、今はオフシーズンで営業してないといって断られてしまった、、、!

がっかりして思わずケツの穴を緩めそうになる、、、。

そこのおっちゃんに教えてもらった宿に行くと、値段は予想より高かったが、なんとか部屋があるみたいだった。

ホッとしながら階段を上り部屋に入ると、、、

 

部屋汚ねっ!!!

 

ベッドの下にはチャイの空きコップが転がり、洗面台にはタバコの吸い殻!

どう考えても取り替えていないシーツに、前の住人が使ったマッチやら細かいゴミが落ちたまんま、、、!!

今までで最汚&コストパフォーマンス最低!!

といっても他に宿が無いんだからしょうがない。

水垢で真っ赤になったヌルヌルのカップが置いてあるトイレに駆け込み、なんとか事なきを得た、、、。

 

長い移動を終えてやっと一息つけたが、 朝の涼しいうちに行かなきゃならない場所がある。

『聖地ギルナール山』

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街の東にあるこの山の頂きには800以上の寺院があり、ヒンドゥー教とインドの少数宗教「ジャイナ教」の聖地になっている。

これまでバラナシでヒンドゥー教アムリトサルでシク教。と、インド特有の宗教の聖地に行ってきた。

そしてもう一つ見ておきたかったのがこの「ジャイナ教」。

後で詳しく書くこの宗教の特徴的な教義を知り、どうしてもその聖地に行ってみたくなり、遥々ここまでやってきた。

 

まずはオートリリキシャを捕まえ、山の麓の参拝口まで行く。

駕篭(かご)のおっちゃん達がお客を待つ入り口を抜け、、、

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頂上の寺院まで9999段といわれる(実際は6000段くらい)階段の始まり。

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僕らは目当てのジャイナ教寺院がある4,000段の地点を目指す。

参道にはヒンドゥー教の神様「ハヌマーン」のモデルになったお猿さんが。

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道沿いには様々なヒンドゥー教の神様が祀られていて、参拝に来た巡礼者が一つ一つに手を合わせながら階段を上って行く。

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その様々な石神がかなり個性的!

こんなキモカワなものもあれば、、、

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これのどこがどう神様なのか分からない可愛いものや、、、。

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え!?溶けちゃったの!?ってものまであっておもしろい。

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登りはじめてしばらくすると、山の頂が見えてきた!

といってもこの時点でまだ1000段くらい、、、。

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案の定まだお腹ちゃんの調子が良くないので、肛門を閉めながらひたすら登っていく、、、。

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しかも早朝とはいえすでに激暑。全身汗でびっしょり。

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インド人の巡礼者達の写真撮影に何度も応じながら、まるで天空に伸びるような階段を登って行く。

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登りはじめて2時間。ようやくそれらしきものが見えてきた、、、!

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そして遂に4000段!!

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ジャイナ教の寺院がある目的の場所にたどり着いた!

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さらにここから1000段上がり、この場所を見渡せる場所へ。

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ジュナーガルの街を見守るように建つ寺院群。

思っていた以上に圧巻で神聖な景色は、まさしく天空の寺院。

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街にいた時は気付かなかったが、ジュナーガルの街は白かった。

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およそ700年も前に建てられたとは思えない、綺麗で可愛らしいモザイク画のドームが建ち並ぶ。

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寺院に施されたレリーフ(浮き彫り)も予想以上のクオリティで、アンコールワットに行って以来、久しぶりに興奮したほど!

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外観だけでなく、内部もまた洗練された空間だった。

床も柱も大理石で作られた内部は、ヒヤッと涼しく、音の無い静かな空間。

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天井にあるドームもまた、細かく綺麗な装飾が。

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ヒンドゥー教やシク教とはまた違う、より簡素で洗礼された雰囲気のジャイナ教の寺院群。

 

ではジャイナ教とはどんな宗教なのか?

まず、この宗教を創ったマハーヴィーラという人は、仏教を創ったブッダ(釈迦)と同じ時代、同じ地域に生き、同じくバラモン教(ヒンドゥー教の前身)を否定していたり、二つの宗教の教えには共通点がたくさんあったりと、日本人の僕らには興味深い話がある。

だけど一番おもしろいのこの宗教の教義だ。

数ある教義の中でも、この宗教を特徴付ける教えがこの二つ。

 

1つ目が、「絶対に生き物を傷つけない(不殺生)」

動物や植物はもちろん、足下を歩く小さな虫も殺さぬよう、最前の注意を払いながら生活しているという彼等。

アヒンサーと呼ばれるこの教義はもっとも重要とされていて、これを守る為の徹底ぶりは尋常じゃない。

万が一動物に教われても、傷つけることは許されないため、最悪の場合死を選ぶという。

夜になると暗くて不意に生物を殺してしまう危険があるので、日没後の外出は禁止されている。

もちろん彼等は菜食主義で、肉や魚を食べないのは当たり前。そればかりか、タマネギなどの球根野菜を食べるとその植物を殺してしまうことになるので食べない。

さらには水の中の微生物を殺さないように、飲み口に白い布をあてて飲む徹底ぶり。

なのでこのアヒンサーを守る為の一番の方法は「断食」。

なんとこのジャイナ教では、断食を続けてそのまま死んでいく「断食死」がもっとも理想的な死に方とされているんだとか、、、。

ちなみにこのアヒンサーは物質的なことだけじゃなく、言葉で相手を傷つけることも、心の中でそういったことを考えるのも禁止されているほどで、とにかくどんな形であっても絶対に「傷」を与えることが禁止されている!

 

そして2つ目が「なにも所有しない(無所有)」

所有は欲であり、欲は行為を生み、行為は殺生へと繋がるという考えで、修行に必要なもの以外、彼等は一切のものを持たない。

なので厳格な宗派のジャイナ教徒の正装は素っ裸。

もちろん下半身も丸出しで生活し、日々修行に励んでいるとか。

だけどそれでは女性が信者になれないので、白い布だけを纏った白衣派という宗派も存在する。

ものに囲まれた僕らには、いまいちこの無所有とは実際にどんな生活なのかイメージできないけど、一つ強烈な例えがある。

髪を切らないシク教徒と違い、ジャイナ教徒は基本ボウズ。

髪が伸びてきたら切ればいい話しだが、無所有を貫く彼等はハサミどころかカミソリ一つ持たない。

なので彼等の散髪方法は「手でむしり取る!!」

いやいやいや、、、考えただけでゾッとする、、、

 

他にも、爪が伸びてきたときはどうするのか、、、

虫歯ができた時は、虫歯も微生物としてそのままにしとくのだろうか、、、

鍋や包丁も無いのに、食事はどうやって作ってるんだろう、、、

などなど、考えれば考えるほど彼等への興味が尽きない。

うぅ〜、、、おもしろい、、、おもしろいぞジャイナ教!!

 

ちなみに厳格なヒンドゥー教徒だったインド独立の父「ガンジー」も、このジャイナ教の教義に影響を受け、生涯布切れ一枚を纏い、菜食主義を貫いたとか。

 

さーて話しは戻り、いよいよこのジャイナ教寺院群の中心にある本堂へ!(写真左上)

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「無所有」の決まり通り、境内に入るにはカメラはもちろん、ポケットの中身も全て預けなきゃいけない。

服も全部脱げといわれるかと心配だったけど、さすがに大丈夫でした。

入り口でジャイナ教徒の人とすれ違った。裸ではなく白い僧衣を来ていたので白衣派の人だろう。すれ違い様にニコッと笑顔をくれた。

中に入ると広い広場に出た。

真っ白い大理石が敷き詰められ、四隅は回廊で囲まれていて、そこには中小様々な仏像に似た像が無数に祀られている。

その広場の真ん中にある建物の中では、巨大な黒い像の前で熱心にお経を唱える歳のいった信者が。

ここにいた人達はみんな白い僧衣を着ていたので、白衣派の人達なんだろう。裸の宗派の人達には会えずちょっと残念。

広場からさらに奥へいける。思ったより広い境内。

天井の無い階段を下りると、無数の小部屋が繋がった空間が。

そこにも大中小、金白黒といったかなりの数の像が等間隔に綺麗に祀られている。

純白の大理石で造られたこの空間は静寂に包まれ、今まで行ったどの寺院よりも神聖な雰囲気に、自分の息をする音にも気を使った。

まるで異次元のようなこの神聖な空間に行けて本当によかった。

頑張って暑い中4000段登ってきた甲斐がありました。

カメラ持ち込みがダメなので、実際の写真を見せれないのが本当に残念。

 

ちなみに残念なことがもう一つ。

このお寺の外壁に書かれたこの無数の落書き。

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歴史的な建造物としても、宗教的にも貴重なこの壁になぜ!?

それだけじゃない。ここまで登っててきた参道はゴミだらけ。

ちょっとゴミが散乱してるといったレベルではなく、ゴミ捨て場かと思うほど、お菓子の袋やらペットボトルが大量に捨ててあった。

 

ジャイナ教の寺院群があるこの場所から山の頂上までは、さらに2000段の階段が続き、ヒンドゥー教の寺院が点在してる。

ジャイナ教徒はインド人口の0.5%しかいないので、ここへ巡礼に来る人たちのほとんどがヒンドゥー教徒だ。

だからといってゴミを捨てるのも落書きをするのもみんなヒンドゥー教徒だ!とは言いたくないが、ここへ来る人たちの比率を考えれば必然とそうなってしまう。

他宗教の神聖な建物に落書きをし、自分たちの聖地でもある場所にゴミを捨てまくる。

それがインドの文化だとかなんだとか理屈や理由を聞いたって、僕には一生理解はできない。

 

 

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