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人が自然に還るための塔「沈黙の塔」ヤズド・イラン

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シーラーズからバスに乗り、北へ5時間半。

イランのほぼ中央に位置する街「ヤズド」にやってきた!

 

といっても時間は朝の4:30で外はまだ真っ暗。

日が昇るまで人気の無いバスターミナルで時間をつぶし、タクシーをつかまえて市内へ向かう。

 

砂漠のど真ん中にあるオアシス的な都市「ヤズド」

ここへ来た目的は「ゾロアスター教」。

 

世界最古の宗教とも言われるゾロアスター教。

かつてほとんどのペルシア人が信奉していて、あの古代遺跡ペルセポリスにもゾロアスター教のシンボルがでかでかと残ってた。

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その後、この地にはイスラム教が入ってきてゾロアスター教の勢いはどんどん小さくなっていったけど、中国や中央アジアへと渡って、今ではインドがその中心地になってるとか。

 

で、このゾロアスター教の教えや考え方がまたおもしろい!

まずこの世界は善と悪の二つから成り立っているという考えで、もちろん善が良しとされる。

その善の象徴が「火」で、ゾロアスター教の寺院には肖像画でも像でもなく、この火が祀られていて、火に向かって祈るとか。

そして一番おもしろいのが、ゾロアスター教の葬送。

 

それが「鳥葬(ちょうそう)」

 

彼等は火葬でも土葬でもなく、屋根の無い建物に遺体を置き、鳥についばませるという方法だ!

ゾロアスター教では、火の他に水、空気、土もまた神聖なものと考えていて、人間の体でそれらを汚さないために、鳥につばませ自然に還るという方法に至ったらしい。

イランでは1930年代に鳥葬が禁止されて今では土葬になってるみたいだけど、インドでは今も鳥葬が行われていて、是非行ってみたかったけどやっぱり教徒以外は中に入れないらしく諦めた。

 

だけどここヤズドには、かつて鳥葬が行われていた建物が残ってる。

それがここ。

ヤズドの少し郊外にあるこの丘の上に見える建物が、かつてゾロアスター教が鳥葬に使っていたその名も「沈黙の塔」

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まだ日が昇り始めたばかりの早朝。

ウォーキングしてるイラン人のおじちゃんが点々といる中、オレンジに照らされる丘を登る。

振り返ると、平らなヤズドの街の向こうから朝日が昇ってる。

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そして頂上までやってきた。これが鳥葬に使われていたという塔。石と塗固められた泥でできてる。

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小さな入り口から腰を丸めて中に入ると、まだ鳥葬をしていた時の構造が残ってた。

斜めになってる場所に遺体を置き、骨は下の空間に落ちるようにして設計されてる。

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さらにそこからは、隣にあるもう一つの鳥葬の塔も見える。

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バスターミナルでつかまえたタクシーのおっちゃん。下で待ってていいよって行ったのになぜか一緒に上まで登ってくれた。

おっちゃんも俺もぜぇぜぇ息を切らしてたので、スパスパとタバコを吸うジェスチャーをして「これのせいだな!ゲハハハハっ!」って笑う可愛らしいおっちゃん。

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丘の上からは360°周辺の景色が見える。見渡す限りの茶色い景色。

ヤズドの街が砂漠のど真ん中にあるのがよくわかる。

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丘の下には古い砂漠の集落も残っていた。

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ここヤズドはイランにおけるゾロアスター教の中心地になっていて、ゾロアスター教の寺院もあり、一般人でも入れるというので行ってみた。

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寺院と行っても、イスラムのモスクとは違い、こじんまりしたシンプルな建物。

入り口には”風の谷のナウシカ”を連想させるゾロアスター教のシンボル、守護神プラヴァシが。

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シンプルなのは外観だけでなく、中も超シンプル。

ガラスの向こうで燃えている「火」が祀られている。ただそれだけ。

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ちなみにこの火は1,500年以上も前から絶える事無く燃えてるんだとか。

 

ヤズドの街を歩けば、ゾロアスター教の正装をしたおじちゃんがバイクに乗って通り過ぎていったりとおもしろい。

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イランにイスラムが押し寄せてきたとき、ゾロアスター教徒達は逃げるようにヤズドへやってきて、ここに住んでいた人のほとんどがゾロアスター教徒だったらしい。

それも今では、低い屋根の街の中には立派なモスクの塔(メナーレ)がニョキニョキ伸びていて、他の街同様イスラム色の強い街になってる。

 

そんなヤズドで、ひと際目立つモスクがこの「マスデジェ・ジャーメ」

街のどこからでも見えるメナーレは、イランで一番高いんだとか。

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入り口のタイルワークもめちゃくちゃ綺麗。

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静かなモスクの中。ここも天井までぎっしりとタイルワークで埋め尽くされてる。

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顔だけが出てる黒いチャドルを着た女性達が熱心に静かに祈る空間。

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街を歩いていてふらっと入った別のモスク。

中に入ると、そこにいたおじちゃんに「カム!カム!」と手招きされ言われるがまま奥へ進むと、そこには立派なステンドガラスが!

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それからその名前も知らないおっちゃんは、この柱の石はどこの石だとかモスクの中の説明をしてくれ、気付けばチャイが出てきて他にいたおっちゃん達とお茶会がはじまった(笑)

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この日は金曜日だった事もあり、奥の部屋にはたくさんの人達が礼拝にきてる中、なぜか流れでおっちゃん達とチャイを飲みながら盛り上がる。

その中の1人のおっちゃんが、家から古い写真を引っ張りだしてきたらしく、娘の結婚式からおじいさんの写真まで色々と見せてもらった。

この写真の中央にいるのがおじいさんで、これがイランの昔の正装をしてるとか。

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ここヤズドは「チンチャンチョン」と言ってくる連中もいなければ、街の人もこんな感じで、なんとも良い街だ。

ジャイナ教の遺跡。綺麗なモスク。感じのいい人達。

だけどここヤズドの魅力はこれだけじゃなかった、、、。

 

 

 

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