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エベレストとご対面!最大の難所チョラパスへ!Gokyo〜Cho-la〜Dzongla -エベレスト・トレッキング Part.4

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遥か遠い昔、、、

 

まだ、地球上の大陸が今の場所ではなかった時代、、、

 

それまで、ユーラシア大陸とインド亜大陸の間には海があった。

 

インド亜大陸はゆっくりと、その海を狭めるように北上し、ついにはユーラシア大陸と衝突した。

 

大陸同士がぶつかり合うその場所では、大地がメキメキと空へと押し上げられていった。

 

標高8,000メートルにまで達したその山々は、地球上で最も標高の高い場所となり、「ヒマラヤ山脈」と呼ばれるようになった。

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その天に一番近い場所で、頭一つ飛び出したひと際高い山。

 

「大地の母・チョモランマ」

 

古くからヒマラヤとともに生きるシェルパ族の人々は、その山にこう名付けた。

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時は経ち、当時インドを領地にしていた英国の測量長官ジョージ=エベレストの名前がこの山につけられ、その名は瞬く間に世界に広がった。

「世界で一番高い山・エベレスト」と。

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am6:00 Gokyo 4,790m

鼻の中が凍りそうなほど寒いGokyoで迎えた朝。

気温を聞いても誰も知らないみたいだ。

そういえばトレッキング中、温度計を見たことが一度も無い。

たとえ−10℃だろうが−20℃だろが、寒いものは寒い!ってことなのか。

歯を磨きながらロッジから外に出ると、世界で6番目に高い山、真っ白いチョ・オユー Cho-Oyu(8,201m)を朝日が照らしていた。

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標高5,000mの世界で迎えた朝は、とてつもなく神々しい。

 

今日はいよいよエベレストを見に行く。

 

このトレッキングに頂上というものは無く、代わりにエベレストを展望できるポイントが最終目的地だった。

 

その目的地は大きくわけて2つ。

エベレスト・ベースキャンプの近くに位置するKALA PATTHAR(5,550m)。

そして今僕らがいるGokyoから小高い丘を登ったGokyo Ri(5,360m)だ。

 

今すぐにでもGokyo Riに登りたい気持ちを抑え、まずはGokyoにあるもう一つの”隠れビューポイント”へ向かうことにした。

 

チョ・オユーに向かって北へ、氷河に沿って歩いていく。

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ゴロゴロとした岩。凍った大地に残る雪。

色の無い殺伐とした景色なのに、どこかパワーに溢れた壮大な風景。

時には氷の上を歩き、、、

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足を滑らせたら一巻の終わり。ゴジュンバ氷河の脇を歩くこと3時間。

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その場所は、名前も無ければ標識も目印も何も無い。

ただ右を向くと、そこには他の山とは違った特別なオーラを放つ薄黒い山が、氷河越しにこちらを見つめている。

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『Mt.エベレスト 標高8,880m』

 

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カトマンズを出発して14日。

やっと、やっとここまでやってきた、、、!

真っ青な大空に、やわらかそうな雲をまとったエベレストがはっきりとたたずむ。

横には世界第4位の高峰「ローツェ(8,516m)」も見える。

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「ここが地球上で最も高い場所、、、。」

 

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1953年にニュージーランド出身のヒラリーとシェルパのテンジンが、人類で初めてこの頂に立って以来、多くの登山が挑戦し、多くの夢を叶え、多くの命を奪ってきたエベレスト。

 

そんなこれまでの人類の挑戦を、まるで気にも止めていないかのように、どっしりと佇んでいる。

 

エベレストを囲む山々も標高6,000mから8,000m級。

目の前には氷河が広がり、数千万年前から変わらない壮大な景色が広がる。

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岩だらけの無機質な景色だが、「まだ始まってもいなければ、終わってもいない。」この大地は今も生き続けているかのような、そんなパワーを感じる。

 

現にインド亜大陸の北上は今も続いていて、年に62mmのスピードで北に動いているという。

その結果、ヒマラヤ山脈の山々は今でも年に5mmずつ高くなってるらしい。

 

ここは「隠れビューポイント」なだけに名前が無く、現地のシェルパも「5個目の湖の横」と呼んでいた。

そのためここにやってくるトレッカーも少ないらしく、この日は僕らでこの景色を独り占めだった。

 

古くから、神々が住む地と言い伝えられているヒマラヤ山脈。

ヒンドゥー教の三大神の一人シヴァも、ヒマラヤに住んでいる神様だ。

 

ということで、そんなヒマラヤ山脈とエベレストに向かって、沢山の願い事をしておいた。

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日本にいるおじいちゃんとおばあちゃんの健康祈願。

結婚式にいけない北海道の親友の幸せ祈願。

この月で1歳になる親友夫婦の息子の健やかな健康祈願。などなど、、、

 

この為に、ここまで険しい道のりを14日間歩いてきたんだ!

ちょっと欲張りなくらいの願い事も、きっと叶えてくれるだろう!

 

翌朝。

今日はいよいよGokyo Ri(5,360m)に登る!

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これがGokyo Ri。Gokyoの小さな村の目の前にそびえる小高い丘。

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ウルルを思い出させるこのフォルム。高低差は600m。

 

登りはじめて1時間。

眼下には既に壮大な景気が広がってる。

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Cholatse(6,335m)にゴズンバ氷河に氷河湖ドゥードゥー・ポカリ。

その脇にゴーキョの村も見える。

 

登っている時の目線。岩を積み上げた無数のチョルテンが並ぶ、ゴロゴロとした岩の急斜面を登っていく。

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初めての標高5,000mの世界。

空気が薄く、息苦しくて思うように早く登れない。

 

「ハァ… ハァ…」

 

自分の息をする音しか聞こえない無音の世界。

息苦しくなっては止まり、振り返って眼下に広がる景色を眺めて落ち着くのを待つ。

そしてまた、青空の中に伸びる斜面をにらみ、ゆっくりと歩き出す繰り返し。

 

ゆっくりゆっくりと登り2時間。

Gokyo Ri(5,360m)の頂きに到着!!

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雲一つない青空のなか、天へと伸びるヒマラヤ山脈。

その真ん中に、頭一つ飛び出したエベレストが見える。

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ついにここまでやってきた!

これで一つ目の目標地点制覇だ!!

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とくにユミコはここまで本当に良く頑張った!

僕らはガードもポーターも付けず、寝袋と食糧がぎっしり詰まった重いバックパックを背負って、自力だけでここまでやってきた。

たくさん喧嘩をしながら、険しい道のりを二人で乗り越えてきた。

その二人で、この場所に立てて本当に良かった!

 

それにしても、このGokyo Riからの景色はすごい。

もはやエベレストばかり見てられない、その周りに広がる蒼々たる山々もすごく綺麗。

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まるで標高7,000m〜8,000mの、ツンツンとした山の草原が広がっているよう。

間を流れる川は氷河だし、太陽がめちゃくちゃ近い。

 

果てしなく壮大で、果てしなく美しい。

 

そしてこの頂上にも、僕ら以外誰もいない。

この大絶景を独り占めだった。

好きなだけ写真を撮り、好きなだけ山を眺める。
終いにはラーメンも作って、この景色を見ながら食べた。笑

 

この頂上には様々な願いの込められた沢山のタルチョが、ヒマラヤの空になびいている。

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標高5,000mに暮らすカラス。

エベレストのアタック隊の食糧を荒らして困らせているカラスも、ヒマラヤ山脈をバックに凛々しい。

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結果2時間もこの頂上で過ごし、大満足の帰り道は軽快だった。

 

翌朝、3泊したGokyoを出発!

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一つ目の目標地点を達成した僕らは、2つ目の目的地Kala Patthar(5,550m)を目指す。

ここGokyoからエベレスト側(東)に行った場所にあるKala Pattharからは、エベレストが目の前に見え、エベレスト・ベース・キャンプもそばにある。

 

だがその前に!

GokyoからKaka Pattharへの道は、このトレッキング・コース上で一番の難所「Cho La Pass」を通らなきゃ行けない。

 

まずはGokyoの裏にある、このゴジュンバ氷河を渡り対岸の村を目指す。

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崖を滑り降り、氷河のなかへ。

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氷河の上に道があるのか心配だったが、なんとか人が歩いた跡が残っていた。

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静寂に包まれた氷河の谷。

両脇にある崖から崩れ落ちる岩の音が、静かに谷の中にこだまする。

 

氷河の表面は土砂で埋もれているが、所々には大きな青白い氷河が口を開けている。

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道にも迷わず、1時間半で氷河を渡りきり対岸に到着。

左後ろには昨日登ったGokyo Riが見える。

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そこからしばらく対岸を歩き、この日の目的地Dragnag(4,700m)に到着!

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5軒のロッジがあるだけの小さな村。

奥にある谷を登っていくとCho La Passだ。

 

ちなみに標高5,000m周辺でロッジを営んでいるシェルパの人達は、オフシーズン(6月〜9月、12月〜2月)はナムチェの隣村Khumjung(3,780m)で暮らしているそう。

 

この日も天気が良く、ロッジの横には小川が流れている。

「おばちゃんバケツ借りてもいいですか?」

ってことで、ヒマラヤの雪解け水で一週間ぶりのシャワー!

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ユミコは知らず知らずに山ガールを飛び出して、野生ガールにまで成長してた!

 

さすが世界一高い場所の雪解け水。

頭にかけたら頭がガンガンするほど、ものすごい冷たい!

それを見て優しいロッジのお母さんが、本当は有料なのに親切に熱々のお湯を足してくれた。

シェルパのお母さんにはこんな親切で暖か〜い人が多くて、これまで泊まってきた数々のロッジでも、そんな暖かいシェルパのお母さんに出会ってパワーをもらってきた。

 

翌朝。

一晩降り続いた雪で、あたりは一面雪景色に。

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今日はコース上最大の難所Cho La Passにアタックする。

道が雪で隠れてしまったので、ガイドのいない僕たちは僕らよりも先に出発するグループを待ち、雪の上にできたその足跡をたどっていく。

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雪原の谷を登りきると、Cho La Passが目の前に現れた。

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標高5,832mと5,638mの山の間にあるCho La(5,420m)を登り、山の反対側へ抜ける。

Gokyoで同じロッジだったアメリカ人のマットと、その友達のカナダ、イギリス、メキシコ人と合流し、6人でCho La Passに挑む。

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近づくにつれCho Laの大きさが目の前に迫ってきた。

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大きな岩がゴロゴロしていて道は最悪。

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しかも不安定な岩が多く、ストックで確認しながら慎重に進む。

岩場を越えると雪の壁。

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もちろんアイゼンなんてものは無いので、ストックを使い、一歩一歩慎重に登る。

 

そしていよいよCho Laの壁にさしかかる!

真下から見上げるCho Laの急斜面。50度以上あるんじゃないか!?

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不安定な岩に滑る雪。

これといった決まったルートは無く、足場を確認しながらそれぞれが安全と思うルートをとり、両手も使ってよじ上るように登っていく。

 

反対側から峠を越えて降りてくるシェルパのポーター。

大きな荷物を背負って軽快に降りてくるけど、顔は真剣そのものだった。

 

AM11:00

急な斜面を登りきり、無事Cho La(5,420m)の頂上に到着!

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反対側にはクレパスと雪原が広がっていた。

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トレッキング中に出会うトレッカー同士の会話で、一番多く出てくる単語がこの「Cho La Pass」。

雪は残っているか。装備は無くて大丈夫か。天候はどう判断すべきかなどなど。
このエベレスト・トレッキングのコース上で一番の難所と言われているから、みんな真剣に情報収集をしていた。

 

ガイドのいない僕らも他人事じゃなく、「Cho La Pass」については歩き始める前から色々な人に尋ねていた。

 

無事Cho Laを越えて感じたのは、僕らはこの短期間で成長したなーと。

確かに今までで一番危険で、神経を使う場所だったけど、飛行機を使わずに歩いてきたジリからルクラまでのあの道のりと比べたら、まだまだ余裕があった。

体力的にも精神的にも強くなったのかな!?

 

無事Cho Laの峠を越え、スノーボードで滑り降りたいくらい綺麗な雪原を下る。

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しばらくすると雲行きが怪しくなってきた。

ここを下れば今日の目的地の村が見えてくるはず!

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最終的に天気はしっかりと吹雪きだし、霧で視界が悪いなかを歩き、目的地の村Dzongla(4,830m)が見えた。

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今日も怪我も無く、道にも迷わず暗くなる前に無事村に辿り着けた。

この瞬間にこみ上げてくる達成感が毎回すごい。

 

最大の難所を無事に越えた僕ら。

ここまで、トレッキングをスタートしてから17日。

 

夜8時に寝て朝5時に起きるのが当たり前の生活だった。

この時点で顔は日焼けして鼻の頭は黒くなり、頭のかゆさにも馴れた。笑

 

ここでちょうど折り返し地点だ!

 

次回、間近にそびえるエベレストと、氷河の上の基地エベレスト・ベースキャンプへ!!

 

今回のルート

Gokyo(4,790m) — Ngozmba Lake Side View Point —Gokyo(4,790m)

Gokyo(4,790m) — Gokyo Ri(5,360m) — Gokyo(4,790m)

Gokyo(4,790m) — Dragnag(4,700m)

Dragnag(4,700m) — Cho La(5,420m) — Dzongla(4,830m)

 

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この記事に書いてある地名や標高は、現地で入手したトレッキング地図を元にしています。

 

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