カドゥキョイの埠頭を歩いていたときに、たまたま見つけた「ボスポラス海峡クルーズ」の看板。
これまで旅してきた東南アジアとインドから、トルコに来ていっきに物価があがってビビり気味だったぼくら。
クルーズだなんてお高いんでしょう?と思いきや、一人12リラ(約560円)と意外と控えめな値段。
バスまでまだ時間があるし、せっかくなので1時間半のクルーズツアーに行くことにした。
ボスポラス海峡は、北は黒海、南はマルマラ海に伸び、ヨーロッパ側とアジア側を隔てる長さ30kmの海峡。
このクルーズは、アジアとヨーロッパを繋ぐ二つ目の橋まで行って帰ってくる。
定刻通り出発した船は、2階建ての綺麗な船。
程よい人数の乗客は、僕ら以外トルコ人みたいだ。
ヨーロッパ側に見える巨大なモスク!
あそこへ行くのは次回までお預け!
タイタニックのような巨大な客船も港にとまってる。
海峡の両側には、「ドルマバフチェ宮殿」や「ルメリ・ヒサル砦」などといった見所が点在していて、その横を通る度に、トルコ語のアナウンスが流れる。
それよりも魅力的だったのが、海峡沿いに広がる街並!
イスタンブールはトルコ最大の都市といっても、海峡から高層ビルはほとんど見えない。
建物が密集した賑やかな景色は、出航してから十分もすれば緑豊かな景色に変わる。
濃いエメラルド色の水面と青い空。
その間に赤い屋根の白い建物が、緑の中で肩を寄せ合って並ぶ。
そんな色鮮やかな街並が、船の進むスピードで目の前を流れて行く。
いつまで見ていても飽きない景色だった。
僕らの船の横をゆっくり通り過ぎる船の甲板では、海パン姿のトルコ人がバックギャモンをやっていたり。
おじさん達が釣りをしていたりなんてのどかな風景も。
やがて見えて来た海峡にまたがる大きな橋。
アジアとヨーロッパを繋ぐこの橋の全長は1,510m。
「ファーティフ・スルタン・メフメト橋」と名前も長い!
橋をくぐり、引き返す船。
海に浮かぶ「乙女の塔」と呼ばれる灯台が見えてきた。
”むか〜しむかし、この地の王様の元を訪れた占い師が、「そなたの娘は18歳の誕生日に毒蛇に噛まれて命を落とすだろう」と予言した。
それを信じた王様は、娘を守るためこの塔に閉じ込めて育てた。
そしてやってきた18歳の誕生日。カゴ一杯の果物を持って、愛娘のいる塔へやってきた王様。
しかし、そのカゴの中には毒蛇が隠れていて、娘は予言通り命を落としてしまった。”
なんて悲しい言い伝えのあるこの塔は、今ではレストランになってるとか。
こうして大満足のクルーズは終了。
これで12ラリなら何回でも乗りたいくらいだ!
ちょうどいい具合にバスの時間が迫ってきた。
トルコでは、長距離バスの発着所は街の郊外にあり、そこまでミニバスで送ってくれる。
トルコのバスはすごい!と噂には聞いていたけど、確かにすごい!
バスは新車に近い綺麗さで、座席にはスクリーン付き!
さらに添乗員が必ずいて、チャイもコーヒーも飲み放題だ!
そんな快適なバスに乗り、いっきにトルコの東を目指す!
ボスポラス海峡クルーズ
一時間半 / 12リラ
ヨーロッパ側から出ている会社はアジア側よりも値段が高く、満席になるまで出発しなかったり、言われていた時間よりも短かったりすることがあるみたいです。
僕らが乗った船の名前も会社の名前も覚えてません(笑)が、カドゥキョイの埠頭にあったのは一社だけでした。
一日2、3便(たぶん土日はもっと出てる)で、定刻通り出発し、時間通りに帰ってきました。
平日だったこともあるかもしれませんが乗客も多くなく、席も選びたい放題だったのでオススメです。