カンボジアといえばアンコール・ワット。
日本人に人気の海外観光地2012で1位を獲得している超有名な世界遺産。
天の邪鬼な性格の僕は、
「超メジャーな観光地はちょっとなぁ。。。」
と、正直あまり期待していませんでした。
ごめんなさい!!!
アンコール・ワット、もう言葉じゃ表現しきれないくらい素晴らしかった!最高でした!
複雑かつ計算しつくされたその建築に、細かく美しい数々の浮き彫りに、そしてその規模の壮大さに、完全に圧倒されました。
まだ行ったことの無い人。絶対に一度は足を運ぶべきです。
カンボジアに来るまで、アンコール・ワットはアンコール・ワットだけだと思ってました。
違うんです。
東京23区に匹敵する広大な敷地に、数百を超える遺跡(寺院)あり、それを総じて「アンコール遺跡群」といいます。
数百ですよ、数百。
そのなかの一つで、東大寺的な存在なのがアンコール・ワットだそうです。
アンコール・ワットを含めた主要な遺跡をしっかり回ると1週間じゃ足りません。
なにしろアンコール・ワットだけでもじっくり見たら半日かかります。
そもそもこのアンコール遺跡群は、今のカンボジア王国の根源、クメール王朝の首都の跡。
1431年にクメール帝国が衰退しこの場所を放棄してから400年の間、人々の陰が無くなった都は、カンボジアの深い森の中に人知れずたたずみます。
そして今から150年前にフランス人学者が再発見するまで、世にこの遺跡群の存在はほとんど知られていませんでした。
そんな話しを聞くだけで男はロマンを感じてウズウズしてきます!
さて、遺跡巡りの拠点の街、シェムリアップからSunのトゥクトゥクに乗り込み約20分。
チケットブースでチケットを買い、いよいよ遺跡のある森の中へ入っていきます。
すると見えてきた。アンコール・トムの入り口、南大門。
思わず「おぉぉ、、!」と声が出る。
ここはアンコール(都市)・トム(大きい)という名前の通り、12kmの城壁に囲まれた都市の遺跡。
中央にあるのが仏教寺院「バイヨン」。
古代インドの宇宙観を具現化した、神々が降臨する場所。
この塔の一つ一つが、あの有名なクメールの微笑み「四面像」。
一つ一つ表情が違う。
遠くから見ると、四面像の塔をただ乱立させたように見えるけど、
中に入ると回廊があり空間もあり、まるで迷路のように複雑な構造の建築物。
僕はこのバイヨンに特に惹かれて、滞在中2回訪れました。
夕日に染まる巨大な四面像。
アンコール・トムは一つの都。
バイヨン以外にもたくさんの遺跡があります。
天井の宮殿・ピミアナカス。
ライ王のテラス。
高さ6メートルのテラス一面に神々が彫られていて圧巻。
アンコール・トムだけで半日以上かかった。
もっとゆっくり見たかったけど、とにかく暑い!
カンボジアの暑さ舐めてました、、。
フラフラになりながらアンコール・トムから移動。
見覚えのある長い参道を歩く。
西塔門をくぐると、、、
見えた!!
カンボジア人の誇り、アンコール・ワット!!
カンボジア国旗にも描かれているアンコール・ワット。
綿密に計算し尽くされた構造は、一歩一歩足を進めるごとに景色が変わる。
中央の塔を四角く囲む長い回廊には、一面に壁面彫刻が。
この長い壁面彫刻が4つもあり、それぞれにちゃんとしたストーリーがある。
細かく掘り出された彫刻を、ガイドブック片手にストーリーを読み取りながらゆっくり歩く。
この壁面彫刻は800年前からずっとこの場所にあるわけで、美術館や博物館で観るのとは違う生の壁面アートに胸が高鳴る。
正確にずらっと並ぶ回廊の石柱。
重機の無い時代にどうやって建てたのか不思議なくらい均等に並ぶ。
デバターと呼ばれる女性像の彫刻が至る所に。
それぞれ実在した女官をモデルにしているので、ポーズや表情、服装、装飾品がどれも微妙に違い、一体として同じものはない。
当時の女性達の姿が目に浮かぶ。
共通しているのが、みんな上半身裸で足下は裸足。
繊細な彫刻でスタイル抜群のデバター。
髪飾りやサロンを巻いていないデバターもある。
なんと作りかけのデバターも。こうやって一つ一つ彫られたんだなぁ。
アンコールワットの中心、中央祠堂。
正面から見ると3つに見える塔は、見る位置を変えるともう二本後ろに隠れてる。
見る場所によって表情が変わるよう、計算し尽くされて建てられているらしい。
近くで見ると、塔の部分にもデバターや細かい装飾が。
当時のアンコール・ワットの内側は赤色に塗られていたらしく、今も当時の色が残っている場所があった。
光が差し込み、陰が模様を作り出す。差し込む光をも利用して境内のデザインの一部にしてる。
バイヨンと同様に、アンコール・ワットも造った王が独自の宇宙観を表した建物。
王が神と一体化する為の聖なる場所。
僕にとっては、壮大な壁画や美しい無数のデバター。光をも形にし、見る場所によって見え方の変わるこの建築物全体が、一つの壮大なアートギャラリーのようだった。
カンボジアの人たちはみんなハンモックが大好き。
どんな場所にもハンモックをかけてリラックスしている姿をよく見かける。
お姉ちゃんも、
赤ちゃんも、
トゥクトゥクドライバーのSunも愛車にハンモックをかけてリラックス。
僕もゆらゆらさせてもらった(笑)遺跡巡り、けっこう体力いるんでこりゃ最高!
遺跡めぐり一日目にして、暑さにやられ完全な夏バテ状態になってしまった。
食欲が無い時はこれ!
遺跡の近くの村に住むおばちゃんが売ってるフルーツ!
こんな甘くて美味しいパイナップル、日本で食べたこと無い。
カンボジア人はこれに塩をかけて食べる。夏バテ防止に、暑いカンボジアならではなんだろうな。
ヒンドゥー教寺院、プレ・ループ。
アンコール・ワットやバイヨンとは違った赤茶色のレンガ造り。
それにしてもカンボジアの子供達は本当に可愛い。
トゥクトゥクに乗って田舎道を走っていると、軒先の子供や学校から帰る途中の子供達が手を振ってくる。
みんな本当に良い笑顔!
子供達に癒されつつ、遺跡巡りは続く。
仏教寺院、タ・ソム
タ・プローム。
ぶっとい木の幹が自然の力強さを物語る。
まるでタコのように遺跡に絡み付く。
人の手が入らなくなった遺跡は、いずれは崩れてしまう。
この森に飲まれていく遺跡達を見ていると、木々が崩れ行く遺跡を支えているようにも見えた。
綿密に設計された美しい回廊。
でも発見当時は完全に崩壊してたみたい。
ここまで修復するのにどれだけかかったんだろう。すごいの一言。
各遺跡の柱やちょっとした壁には、男心をくすぐる古代文字(クメール文字?)が彫られてる!
どの遺跡にも、必ず売り子の子供達がポストカードなどのお土産を売歩いている。
「Buy something. Buy something.」や「お姉さん!お姉さん!」と、
英語や日本語を使い分けてかなり積極的に売り込んでくる。
みんなまだ小学生くらいの女の子ばかりで、断るのに毎回胸が痛む。
そんなとき、一人の売り子の女の子が、
「○×ゲームって知ってる?」と声をかけてきた。
もちろん知ってるよ!と答えると早速ゲームスタート。
結果は、、、なんと4戦4敗!!
気持ちよくポストカード買わせて頂きました(笑)
シェムリアップの郊外、壮大な田園風景を横目に未舗装の道を走る。
シェムリアップ市内には見られない、高床式の家も転々と並んでいる。
電線は見当たらない。水を汲んでいるお父さんを見かけたので水道も無いんだろう。
荷台いっぱいにスイカを乗せた卸のトラック。運転席が丸出しのオープンカー!
シェムリアップから走ること約2時間。
今もほとんど修復がされず、発見当時のまま深い森に眠る寺院、ベンメリア。
崩れた遺跡内部の道無き道を進む。
崩れた石をよじ上り、光の届かない通路をくぐり、苔の生えた屋根の上を歩く。
まるでこの遺跡を初めて発見した探検家の気分。
このベンメリアはラピュタのモチーフになったという噂。本当かどうかは分かりません。
でも、苔が生えツルが巻き付き、深い森と一体化しつつあるこの遺跡の雰囲気はとても神秘的だった。
途中、ガソリンを入れに寄った小さな個人商店での光景。
子供達はみんなすっぽんぽん!
お父さんの右足は地雷によるものだろう。
カンボジア、特に郊外に行くとこのお父さんのように片足の無い人をよく目にする。
内戦時にバラまかれた地雷が今も多く残るカンボジア。
観光客もたくさんいる遺跡の周りだって、すべて撤去されているわけじゃない。
農村部の人々が住む周辺は今も多くの地雷が残っていて、大人子供問わず現在も毎年多くの犠牲者がでている。
燃えるような赤い寺院、バンテアイ・スレイ。
規模は大きくないこの遺跡。でも彫刻が他の遺跡に比べて群を抜いてめちゃくちゃ綺麗。
「女の砦」という意味を持つバンテアイ・スレイ。
ここのデバター像たちは「東洋のモナリザ」と呼ばれている。
より深く精巧に彫られたデバターは、女性の柔らかさまで伝わってくる。まさしく魅惑のデバター。
昔、フランス人作家がこのデバターに魅せられて盗み出そうとして逮捕されたという逸話がある。
その作家の気持ちがよ〜くわかる。
僕もいつまでも見ていたくて、この場をなかなか離れられなかった。
バンテアイ・スレイに住み着く魅惑の子ネコ。
こっちも連れて帰ろうかと思う魅惑の可愛さ。
夕日に染まるプノン・バケン。
アンコール遺跡群がある壮大な森を見下ろせる小高い丘の上にある。
この時期は雨期だったので、夕日を見るのは難しいと聞いていたけど、この日は運良くとても綺麗な夕日が見れた。
まん丸く雄大な太陽。こんな光景、今まで見たこと無い。
カンボジアの深い森へ沈んでいく太陽。
太陽が沈みきると、自然と拍手が巻き起こった。
夕日色に染まるアンコール・ワットを横目に遺跡巡りはこれにておしまい。
ここに載せた遺跡は、今回まわった中の一部です。
どの遺跡も建築方式や彫刻の特徴が違っていたり、回れば回る程、遺跡同士の歴史関係や背景がわかって面白かった。
ほとんどの遺跡には、当時そこで僧侶などの人々が実際に生活をしていたので、遺跡の中に腰掛けて、当時の光景をイメージしてみるのもすごく面白かった。
800年前からそこにある、生の芸術に触れられる壮大な美術館。
あまりにもすごかったので、しばらく他にどんな遺跡を見ても、ちょっとやそっとじゃ感動できなそうで心配です(笑)