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ターバンワンダーランド!シク教総本山・アムリトサル 後編

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前編はこちら

 

 ターバンに立派なヒゲに脇には短剣。

今もその特徴的な教義が守られ続けているインドの少数宗教「シク教」。

だけどこの宗教の面白いところは見た目だけじゃない!

 

総本山・黄金寺院のそばにある「巡礼宿」。

インド各地からやってきたシク教徒の巡礼者はもちろん、ヒンドゥー教徒もイスラム教徒も誰でもここに泊まることができる。

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部屋に入りきれなかった人達が中庭にゴザを引いて寝るほど、毎日たくさんの人が泊まっている。

この巡礼宿、なんと誰でも「無料」!

正確には少しのお布施(気持ちでOK)を払えば、何日でも泊まっていい。

しかも外国人旅行者には専用のドミトリーまである!

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入り口には常に誰かが居てくれるわ、カギのできるロッカーはあるわ、シャワーからは熱々のお湯まで出るわで至れり尽くせり!!

 

そして無料なのは宿だけじゃない、、、。

なんと食事も無料!!

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黄金寺院の敷地の一角にある施設では、来た人全員にフリーフードが振る舞われる。

しかも、なんと24時間365日いつでもやってる!

もちろん1日一人一食なんて制限はないので、三食キッチリ食べさせてもらえる。

 

朝食や夕食の時間帯になると溢れるほどの人が押し寄せ、1フロアに数百人は入れる3階建ての広い建物に、入りきれない人達の行列ができるほど!

入り口でプレートとスプーンを受け取り、一列に敷かれたゴザの上に座ると続々とおかずが配られる。

内容は豆のスープと豆のカレーに、チャパティとデザートにライスプリン。

質素な食事ではあるけど、ストップと言わなければどんどん注ぎ足してくれるうえに、日によっておかずも変わるし味もなかなか美味しい。

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効率よく配給する為に、特性の水注ぎまマシーンまである。

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しかも、なんとチャイまで無料!

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蛇口から出るチャイ!しかも毎回なみなみ注いでくれる!

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この「ランガル」と呼ばれるフリーフードは、そもそもヒンドゥー教のカースト制度に対する批判から始まった。

「カーストの違う者とは食事を一緒にしない」という行為に対する批判だが、それだけじゃない。

シク教では「神は一つ」という教えで、呼び名や姿は違えど、全ての宗教の本質は同じ一つの神と考えている。

そんなところから人種も宗教も国籍も区別せず、ここに来た人全てが一緒に食事をすることで、社会的平等の願いが込められてるという。

慌ただしく配給される食事は、決して落ち着いた食卓ではなかったけど、宗教も人種も違う人々が一列に並び、皆で同じ物を食べるこの空間はすごく気持ちよかった。

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ランガルが振る舞われるこの施設の入り口に積まれたアルミ製の大量のお皿。

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洗われたお皿が積まれるときに鳴る「カチャカチャ」という音は24時間絶えること無く続く。

一日に数千人も訪れるというこのランガルの裏側はどうなってるのか気になって、そーっと覗いていたら中に居たおじちゃんが手招きして案内してくれた。

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中にあったのはチャパティ製造マッシーン!!

練った生地をどかんと入れると、コロコロと均等に丸い生地が出てきて、、、

 

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プレスされて、一気にこんがりと焼かれたチャパティがどんどん出てくる。

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その先ではお母さん達が品種チェック。

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破れているものや焦げているものを省いて行くんだけど、フリーフードなんだからそこまでしなくていいのに、、、!

フリーフードの為に特注の機械を作り、品質チェックまでする。シク教徒に豊かな人が多いからなのか、それとも彼等のポリシーなのか、、、。

きっとフリーフードだろうが人に振る舞うものだからと、身だしなみもキチッとしたシク教ならではなんだろうな。

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「じゃああなたもやってみなさい。」

とターバンを巻いたおじちゃんに言われ、僕もチャパティの生地を運ばせていただく(笑)

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別の場所では、どでかい鍋で大量のオクラを炒めていた。

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ここでも

「じゃああなたやってみなさい。」

と手伝わせてもらうも、これがなかなか大変!

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おっちゃんに胸板を触られ「コレじゃダメだ」と一言(笑)

軽々とオクラを炒めまくる推定65歳のおっちゃん。さすがシク教徒の男はたくましい。

興味津々で裏側を歩いていると、みんなが歓迎して中に入れてくれるので、調子に乗って屋上にまで案内してもらった。

ここからは黄金寺院が見渡せた。

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屋上を案内してくれたこの人達も、めちゃくちゃ紳士ですごく気持ちのいい人達だった。

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フリーフードが振る舞われる施設の周りでは、たくさんの人達が食事の準備をしてる。

お皿を洗う女性達や、、、

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カボチャにニンニクにココナッツなど、大量の食材を仕込む人達。

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聞けばなんとこの人達は全員ボランティア!!

ここへやってきた人達が、みんな善意で手伝っているというじゃないか!!

それを聞いちゃジッとしてられない!!

無料の食事に無料の宿。施設の周りも快く案内してもらった。

与えてもらってるだけじゃ申し訳ない!と思っていたので、さっそく僕らも手伝わせていただく。

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ここにある食材達はどれも、各地にいる信徒達から送られてきた供物らしい。

毎日数千人に振る舞われるのでとてつもない量だ。それを365日絶やさずに続けられる。

そんなところにシク教徒の団結の強さが伺えた。

 

夕方。夕日に照らされ輝く黄金寺院。

寺院へとかけられた橋には、参拝者たちの行列がまだ続いている。

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日が暮れると寺院はライトアップされ、より一層幻想的な雰囲気になる。

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日が暮れても絶えることの無いたくさんの巡礼者。

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短剣をターバンにくくりつけ沐浴をする人達。

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ここアムリトサルには3日という短い滞在だったけど、今でもインドで一番好きな場所だ。

インドにあってインドでない場所。

 

紳士的で優しいシク教の人達。

人種も宗教も越えて助け合う人達。

 

『平等』

そう唱えていえど、実際にここまで人々が一丸になって行動している宗教や国はどれだけあるだろう。

ここで出会った人達は皆、見返りを求めずに手を貸し合うことや、人種や宗教で人を区別しないことを当たり前のこととして生きていた。

こんなに気持ちいい場所があったなんて。

シク教という宗教に、シク教の人々に、僕は心底惚れてしまった。

 

またここにやって来よう。一見恐そうな顔からこぼれる優しい笑顔に会いに。人として大切なものを忘れない為に。

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